Voicy更新しましたっ!
今回は冬に活発になるノロウイルスのお話
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ノロウイルスによる胃腸炎の患者さんが急増
北日本では大きな積雪があり、12月も残り半分となった現在、薬局では腹痛や吐き気の患者さんが多く、胃腸炎の方が増加している風に感じます。
これは、以前からこの時期に度々触れていますが「ノロウイルス」が非常に活発に活動するためです。
寒い年末年始、乾燥する時期に、インフルエンザと共に猛威を振るうのがノロウイルスですので、ここで今一度きちんと対策していきましょう。
以前は266回と460回で詳しく触れておりますので、是非そちらも併せて参照していただければ幸いです。
2個体内に入っただけで感染・発症する
通常のウイルスは、体内に入った数が少数であれば、免疫細胞によって問題なくやっつけられます。
covid-19も無症状感染という状態があるように、数個入った程度では発症しないことも珍しくありませんが、ノロウイルスは2個体内に入っただけで激しい腹痛や下痢、嘔吐と言った症状が現れるという特徴があります。
感染経路は接触感染のみで、咳やくしゃみと言った飛沫にウイルスが含まれることは無いため、飛沫感染はしません。
例えば、ウイルスが付着していたトイレのドアノブなどのような部分を触り、その手で目をこすったり、食事をして体内に入ると感染する、と言う流れになります。
症状は激しい嘔吐や下痢、熱がありますが、基本的には重症であっても命にかかわることはほぼありません。大半の場合では3日以内には問題なく治ります。そして、症状が出るのは体内に入ってから24時間以内です。
ですので、ノロウイルスの検査、ということはほとんどのケースで行いません。
ただ、例えば飲食店などで、ノロウイルスに感染したお客さんが何人も出た場合、その食べ物や衛生状況を確認するために、ノロウイルスの検査をする、ということがまれにあります。
ノロウイルスは出し切ることが唯一の治療
ノロウイルスは体内から出し切ることが、唯一の治療法になります。
つまり、下痢止めなどのお薬は使わず、水分を補給しながら嘔吐、下痢を続けて全て出し切る必要があるのです。
この時は一気に大量の水分やミネラルが失われるため、普通のお水やスポーツドリンクではなく、OS1のような経口補水液が非常に便利です。
経口補水液と言うと、夏の熱中症の時に飲むお水ですが、吸収のスピードが極めて速いため、ノロウイルスによって一気に水分が抜けたときに非常に便利です。
ですが、感染しているときは普通に飲んでも胃腸が受け付けず、すぐに戻してしまうため、ボトルのキャップに1杯分ほどの量を、15分に1度程度のペースで少しずつ飲んでください。
もし、それでも受け付けられず戻す場合は病院に連絡して、点滴によって水分を補給してください。
ノロウイルスは一般的な消毒用アルコールが効かない
ノロウイルスの予防ですが、まず特に夏場言われるのが、食べ物をしっかりと加熱するということです。
熱に対して特に弱いため、出来るだけきちんと加熱して、火が通ったものを食べるようにしてください。
そして消毒についてですが、ノロウイルスは一般的な消毒用のアルコールがあまり効かないのが特徴です。
効果が全くないというわけではありませんが、前述のようにわずか数個入っただけで発症しますので、消毒の際には「ノロウイルスにも効く」と書いてある製品を使ってください。
具体的には有機酸という成分が入っているものですが、パッケージに「ノロウイルスにも効く」と書いてあればひとまず大丈夫ですので、そういったものを使うのがおすすめです。
この消毒液を、トイレ後の手洗いのあとや、食事や調理の前の手指消毒に使ってください。
汚物処理は次亜塩素酸ナトリウムを
そして、室内で戻してしまったなどの場合で、汚物を処理する時には次亜塩素酸ナトリウムを使ってください。
前項の有機酸入りのアルコールはあくまでもアルコールですので、揮発するのが早いため、掃除には適していません。
次亜塩素酸ナトリウムは製品で言うとキッチンハイターが有名で、これを500ミリのペットボトルにキャップ1杯分とお水を入れて混ぜたものがベストな濃度になります。
汚物の上に新聞紙をかけて、その上にその消毒液を掛けて、新聞紙ごとくるんで捨てるようにしてください。
新聞紙などをかけず掃除すると、きれいになったように見えてもウイルスが拡散している恐れがあり、感染のリスクがあるため、まず初めに新聞紙をかけて拡散しないように抑え、その上に消毒液をかけるようにしてください。
前述のように接触によって感染するため、掃除の際には出来れば手袋もあると便利ですので是非備えておいてください。