Voicy更新しましたっ！

今回も頂いたコメントから、便秘のお薬の詳しいお話

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便秘のお薬のお話

今回、頂いたコメントに「酸化マグネシウム、モビコール、大建中湯を今まで処方されました。この中で穏やかに効果のあるものはどれでしょうか？」と頂きました。

今回はこのコメントに関連して、便秘のお薬についてお話していきます。

 

器質性便秘とは

便秘については以前、219回で詳しく触れておりますが、このコメントをくださったりんごさんのケースは「器質性便秘」に該当します。

コメントで「S状結腸が病の影響で細くなってしまい、手術をする予定です。それまで、便秘をしないように言われてて」とあります。

器質性便秘はまさに、胃や腸の一部が狭くなり、通りづらくなっている場所が出来ているために、起きている便秘のことです。

万が一、狭くなっている部分で完全に詰まってしまうと「イレウス」という腸閉塞になる可能性があり、これを阻止するためにも、お薬を飲み続けて便秘にならないようにします。

腸閉塞になってしまうと非常に危険ですので、そのリスクを減らすためにも、便秘症解消のための手術が必要になります。

 

処方された3つのお薬はどれも穏やかに効く

それを踏まえて、質問されているのが「酸化マグネシウム、モビコール、大建中湯を今まで処方されました。この中で穏やかに効果のあるものはどれでしょうか？」とのことですが、正直に言うと、正確な答えは難しいです。

やはり、処方箋を見ないと、お医者さんの処方意図は把握できないので、何とも言えません。

例えば酸化マグネシウムとモビコールは同じようなお薬で、水分を吸収させずに、ある程度腸の中にとどめておいて、便に水分を与えて出やすくする、というものです。この二つはどちらも同じような仕組みで働きます。

また、この二つは量によって効果の強弱が出ますが、現在の量は穏やかな効き目の量で出ています。

もう一つの大建中湯は、もしかしたら、便秘解消のために出ているものではない可能性があります。

大建中湯はどちらかというと、腸がスムーズに動けるように、という目的で出ていると思われます。

腸の動きが悪くならないようにして、腸閉塞の予防をする、という目的が考えられます。

便秘のお薬は新しいものもいくつかありますが、基本的にはこれらのような仕組み、働き方で共通しています。

水分を腸にとどめて柔らかくするか、腸の動きに作用して便を促すかの二つです。

 

違うタイプのお薬

仕組みはどれも同じようなものですが、タイプとしては錠剤や粉以外にも様々あります。

例えばゼリータイプの「ラグノスNFゼリー」という便秘薬は、糖の一つで出来ていて、同じように腸に水分を与えて便を柔らかくして便秘を解消していきます。

また、変わった仕組みのお薬としては、腸の管から水分を出させて、それで柔らかくするという仕組みで作用するという、リンゼス、アミティーザというお薬もあります。

もう一つ、腸内に出る「胆汁」を使って柔らかくする、グーフィスというお薬があり、特に高齢者の便秘でよく用いられています。

 

最近ではあまり使わない便秘薬も

一方の腸を動かして便秘を改善していくタイプのお薬としては、外から行う浣腸や、腸内環境を整える整腸剤も該当します。

また、昔からあって有名なプルゼニド（センノシド）、ラキソベロン、アローゼンがあります。

これらは処方されることもありますが、実は市販薬で有名な「コーラック」と同じような効果があるお薬です。

ただ、実は最近ではあまり使わないような傾向があります。

なぜかというと、長い期間使い続けると、量を増やさないと効きにくくなるためです。

腸を動かすお薬は補助的に使って、基本は便を柔らかくするお薬で、便そのものの質を変えるのが、確実です。

 

市販のものは「酸化マグネシウム」が主成分のものを

市販のもので便秘改善をする場合は、酸化マグネシウムをメインにとってください。

酸化マグネシウムそのままでも、実は市販されており問題なく入手できます。

便秘薬として出ているものだと、商品名で「ミルマグ」というものもあります。

ミルマグのような酸化マグネシウムをメインにして、補助としてコーラックのような腸を動かすお薬とか、ビオフェルミン、ミヤリサンのような乳酸菌の整腸剤を使うのがベストです。

ただ乳酸菌は合う合わないの問題があり、おなかを壊すことがあるので、何種類か試すのも手です。

そして、それらと同時に、水分も普段以上に多めにとってください。

サプリメントだと、食物繊維のサプリメントがおすすめです。

CMとかでも少しやっている、イージーファイバーのような粉末タイプを、食べ物や飲み物にさっと入れてとると、質の良い便になって便秘が解消されていきます。

食物繊維をとる場合は必ず、水分をたくさんとってください。

重ねてになりますが、酸化マグネシウムの場合も、食物繊維のサプリメントも、水分をとることを忘れないでください。

水分を含んだ便にするために非常に重要ですので、必ず多めに水分をとっていきましょう。