寝付けないときは寝具の見直しを
最近、なんだか寝付けないという患者さんが増えてきました。
睡眠に関するお薬がよく出ますが、今の睡眠薬は昔ほど依存性も無く、安全なものも多いですので、一昔前よりは便利に使えます。
とはいえ、出来れば睡眠薬は使わずに、きちんと眠れるのが理想です。
そこで、寝付きが悪くなったところで見直したいのが寝具です。
今回はこれまでと少し趣向を変えて、寝具についてを中心に、睡眠について取り上げてみたいと思います。
ベストな温度で眠りに入る
本来、眠りに入る前には深部体温を少し下げて、寝るモードに切り替えます。
言い換えれば、パジャマや毛布が暑すぎたり、逆に寒すぎたりすると、体温調整がうまく働かず、寝付くまでに時間がかかるということです。
ある研究では、寝室の温度は18〜20℃程度で、パジャマや掛け布団を使って体質に合わせて微調整することが、最も眠りやすい温度になるとされています。
また、睡眠中の寝返りの回数や夜間の覚醒にも、寝具の素材や蒸れやすさは影響します。
寝間着、ナイトウェアや寝具が体に合わなくなり、それが寝つきの悪さにつながっているケースが少なくないのです。
睡眠の質を左右するナイトウェア選び
睡眠を妨げる要因として意外と見落とされやすいのが、ナイトウェアそのものの着心地や構造です。
例えば締め付けの強いウエストゴムで血流が滞って落ち着かなくなるとか、生地のタグや縫い目が肌に触れることで、無意識のうちにかゆみなどを引き起こして、睡眠が細切れに断続的になってしまうということもあります。
また、自律神経の乱れや甲状腺の病気などで、体温が急に上がったり下がったりする症状がある場合は、特にパジャマや寝具の調整が重要です。
人それぞれの体質があるため、微調整と一口に言ってもかなり難しいですが、素材としては綿やリネンなど汗を吸って逃がしやすいものがおすすめで、シルクももちろん良いですが、必ずしも高級品である必要はありません。
反対にポリエステル100%のものや分厚いフリースは熱がこもりやすく、暑がりの人には不向きです。
ちなみに、室温を少し上げてひんやりインナーを着て寝るという手もあります。
一番最初に書いたように、体温が少し下がるのが最も眠りやすい状態ですので、少し寒いぐらいの薄手のものを着て、毛布やお布団を使って暖をとって行くのがベストになりますので、試してみてください。
寝る環境・習慣を整える
そしてやはり、寝室の環境や寝る前のルーティンも大きな影響を与えます。
温度は前述のように、18〜20℃でややひんやりした室温で、照明は豆球や間接照明など柔らかいオレンジ系の光があると理想です。
入浴は寝る直前ではなく、眠りたい時間の1〜2時間前ぐらいの時間に、ぬるめのお湯で15分ほどが効果的で、逆に熱めの湯に直前に入ると体温が上がりすぎて寝つきが悪くなります。カフェインのない温かい飲み物を飲むとか、好きな音楽を聴くといったこともリラックスを助けます。
眠れない日が続くときはお医者さんに相談を
最後にお医者さんにかかる目安ですが、どれだけ環境を整えても、週3回以上、寝付きが悪くて30分以上眠れないという状態がおよそ3か月続く場合は、不眠症として治療が必要なことがあります。
他には、夜に足がムズムズしてじっとしていられないむずむず脚症候群とか、朝起きても頭が重い、日中に強い眠気があるといった場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性もあり、ナイトウェア以外の要因が睡眠に影響しているケースも存在あります。
そして精神的な不調で、気分の落ち込みが強いとか、楽しいと感じられないなどの場合で睡眠が難しいときも、無理に我慢せずに、かかりつけ医や睡眠外来に相談することが大切です。
voicyでも度々触れていますが、良い睡眠のためには何時に寝るかよりも毎朝同じ時間に起きることの方が重要で、朝日を浴びることで体内時計がリセットされて、12〜14時間後に自然と眠くなるリズムが作られますので、可能であれば普段よりも早く起きて、そしてその日を早めに寝るようにすると。より習慣づきやすくなります。
また、ルーティーンとして、ナイトウェアを毎晩着るということを習慣づけることで、服を着た瞬間に体が自動的に寝るモードに入る、という効果も期待できますので、是非実践していただければと思います。
