不眠はどうすれば解消できる?#305

今回は前回に続いて睡眠に関するお話で、「不眠」について。
健康情報を声で聞ける!
医療・健康ナビ なくすりーなはこちらから聞いてみて下さいね^^v

前回の睡眠に関連して、今回は「不眠」について

いわゆる不眠症、というものですが、一般的に眠れないケースは3種類あり、寝付くまでに時間がかかる、途中で起きてしまう、そして早く起きてしまう、という3つが主です。

ただ、どのタイプであっても、対策は全て同じようなものです。

もしお困りであれば、参考にしてみてください。

不眠症の3つの種類

まず多く見られる方が、寝つきに時間がかかるタイプや途中で目が覚める方です。

これは定義が決められており、眠りにつくまで30分以上かかる場合は、寝つきが悪い、という事に当てはまります。

例えば今日寝れないかもとか、明日早く起きないとという時に、その気持ちが負担になって寝れないという事もよくあると思います。

また、途中で起きちゃったという方も、寝つきが悪いことと併発して起きやすい不眠症です。

そして高齢者に多いのが、自分が希望する2時間以上前に起きてしまって、それ以降は眠れないというタイプです。

単に早起きであれば良いですが、起きてから後々眠たくなって来るとか、眠たくなって嫌々早寝をしてしまう方は、一つの不眠症であると言えます。

これら以外だと、時間としては寝れていて一応は朝を迎えられるが、あまり寝た気がしない場合も不眠に該当していましたが、最近ではそれは医学的には不眠にはならない、と言われています。

これらへの対策はほぼ同じで、生活リズムを整えること、そして副交感神経を働きやすくすることが一番良い対策になります。

朝起きてからと、寝る前に不眠症改善のヒント

この3つすべてに共通している対策が、前回の「日の光を浴びて生活リズムを整える」という事です。

朝日を浴びて朝ご飯を食べることで、1日の活動に非常に良い刺激になるので、とってもおすすめです。

寝る前にできる対策としては、お風呂があります。

お風呂に入ることで体温が上がりますが、お風呂から出て体温が下がってくるのと同時に眠気が出てくるので、この時に寝るのが非常に良いです。

時間的には最低でも寝る1時間前に入って、徐々に汗が引いて体温が下がっていくところで寝る、という事をしてみてください。

後、寝る前にもう一つ大切なのが、ブルーライトを浴びないことです。

よく、寝る前にスマホやパソコン、ゲームなどをするとブルーライトが出て目の刺激になると言われますが、これはかなり大きいので、寝る直前は特に触らないようにしてください。

「寝酒」は辞めて、3時間ぐらい前までに切り上げる

また、よく中高年の方などは、寝酒と言って寝る前にお酒を飲んで寝るとか、飲まないと眠れないというような方がいますが、確かにお酒を飲むと眠たくなりますが、それで寝ても肝臓は働きづめになるので、質は非常に悪いです。

寝る3時間前ぐらいまでに飲酒は切り上げて、肝臓の働きなどを落ち着かせるようにしてください。

あと飲み物だと、カフェインの入っているものも、覚醒作用があるので避けてください。

寝なきゃ思ってベッドに入らない・眠れない場合はベッドから出る

最後に、気持ちの面のお話ですが、早く寝なきゃって思って早めにベッドに入るのは、避けた方が良いです。

同時に、これはまだ眠れないなと思ったらベッドから出る、という事もしてください。

なぜかというと、ベッドが眠れない場所、と印象付けられてしまうためです。

寝てる時間=ベッドにいる時間、に近づけることが大切です。

つまり、眠れないまま、寝付けないままベッドにいるということは、ベッドにいる時間が浅い眠りで、時間も無駄に長い状態になります。

そこで、眠れない場合にはすぐベッドから出て、しばらくして眠くなった時にベッドに入ることで、しっかりと深く寝ている時間=ベッドにいる時間、に近づけていきます。

こうすることで、徐々に、ベッドにいる時間が深く眠れている時間、と同じぐらいになっていくのです。

この時、ストレッチをして筋肉をほぐして、寝る準備をすることを習慣づけるのも非常におすすめです。

起きてしまっても時計を見ない

そしてもう一つ、途中で起きてしまったら、スマホなどで時間を確認することがあると思いますが、気になるのはわかりますが絶対しないでください。

時計を見ると途中で起きてしまったという事が強く意識づけられてしまい、寝られていないことが気持ちに大きくのしかかり、負担になります。

なので起きても時計、スマホを見ないでください

ただどうしても、年齢などの影響で早く起きてしまうことはあります。その場合はそういうものだと割り切って、落ち着かせて寝ることが確実です。

前項のストレッチにも関連しますが、夜の運動習慣は意外に理にかなっていておすすめです。

寝る直前は不必要に興奮してしまうので逆効果ですが、最低でも寝る1時間か2時間前ぐらいに、軽くウォーキングをするなどは意外に効果的で、ぐっすり寝た感じがするとか、朝すっきりと起きれる感じがすることが多いので、試してみてください。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属